#1【虐待サバイバー】カウンセラーさんと僕【心理カウンセリング録】

#1【虐待サバイバー】カウンセラーさんと僕【心理カウンセリング録】

カウンセリングでのやり取りを物語調で記載してます。
バックナンバーの目次:虐待サバイバー心理カウンセリング実録シリーズ

カウンセラーさんと僕・#1

寒くて長い廊下を歩いて、軽い扉の前に立つ。入るのに躊躇する。

中にいるのは、どんな人なんだろう?何を聞かれるんだろう?と。

 

そもそも、なんでこんな所に来ることになったんだろう。社会人になって、数年で会社を辞めた。

売り上げ成績はトップだったし、やりたかった企画にも携われた。週末は会社に寝泊まりして、土日を会社で仕事して過ごした。

ブラックとも思わなかった、やりたいことを会社の金でやらせてもらってる、と思っていた。よくできた奴隷だったかもしれない。つまり、楽しく働いていたんだ。

 

けれど、周囲の皆が「売り上げ」を上げるために全力を尽くしてないのは不満だった。何より、商品の売り方に「ウソ」が混じっていて、それに猛烈に嫌気がさした。

 

今思えば、どんな仕事にも「ウソ」はある。「ウソ」を買いたい人だっている、そういうことが分からなかった。

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転職した会社で、ある日唐突に言われた。

「君さ、ACだと思うから、カウンセリング行ったほうがいいよ」

 

その一言が、カウンセリングとか、アダルトチルドレンとか、虐待とか、共依存とか、そういうものを知るきっかけになった。

 

そして知るたびに、自分はいつかカウンセリングに行く日が来るのか?と思ってはいた。だけど行きたくなかった。別に必要も感じていなかった。

 

誰だって思い出したくない過去はあるだろう。

なぜそれを初見の、信用できるかわからんカウンセラーとかいう偉そうな奴に話さなくっちゃいけないんだよ、と思っていた。今も少し思う。

私の過去を知っている人には意外かもしれないが、私は自分が虐待されていた、としっかり認識していなかった。

記憶はあったけど、水瓶みたいなところに入っていて、わざわざ覗きに行かない、そんな感じ。
それが、子供が生まれて少し変わった。

どうやら、自分が育った環境は、いわゆる「育児」としてありえない環境だったらしいぞ、と気づいた。

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そこから紆余曲折あり、今この扉の前に立っている。

「カウンセリングに行ったほうがいいよ」と言ったあの人は、こうも付け加えた。

「行くなら、助けてほしい、自分がよくなりたい!と思っていかないと意味ないよ」

なんだそりゃ、カウンセラーって、こっちの言いたくもないことをズケズケ偉そうに聞いてきて、命令してきて、それに従っていたら、嫌だけどよくなるんじゃねーの?

 

それが仕事なんでしょ?と思ってた。

妙に薄くて軽い扉を開けると、可愛らしい女の人が立っていた。

こっちに気づくと、はにかみ笑顔で「こんにちは、どうぞこちらに座ってください」とソファーに案内してくれる。

カウンセラーさんと僕の カウンセリングの日々が始まった。

わたしの虐待経験を【物語化】しました

CTA-IMAGE わたしの実父は6歳からわたしに性虐待を行いました。父の暴力や性虐待について、子供ながらに母にも訴えましたが、、、。
虐待が連鎖しているため、読む人によって【意見・感想が分かれる】かもしれません